わずか100ccのバイクのエンジ
ンだがボディの軽量さを生かし
てぬかるみもラクラク走破する。
短時間だが試乗した結果、長距離は難しいが市内の移動にこまる事は
ない。プノンペの道路事情は首都としては最悪と言っていい。幹線道
路を外れると舗装路は穴だらけか未舗装。そんなプノンペン市内を”
アンコール2003”で走ってみると<案外ゴキゲンだった。幹線道路で
例の大きなクルマに囲まれると、さながら大型ダンプに前後左右を挟まれた原付きバイクの心境に
なるが、せまい脇道に入れば立場が変わる。バイクの群れに対して明らかに大きい”アンコール
2003”は悠々と?クルージングできる。ボディの軽量さと駆動効率のいいミ ッドシップ方式が
幸いしてぬかるみも軽々と走破。もちろ
んホイールベース以上の大きさの水たま
りは避けることが重要。
外観のユニークさから普段は横着な運転
をしているバイクドライバー達も率先し
て道を譲ってくれる。途中で知り合いに
会ってクルマを止めて話し込んでいると
近所のガキんちょたちが屈託のない笑顔
で寄ってきてペ タペタと汚い手でクルマ
に触る。何を言っているか判らないがと
ても楽しそうである。不思議な外観の”
アンコール2003”は不思議とプノンペンの街に溶け込んでいるのを実感した。
このクルマが量産されて価格が800ドルくらいで販売されたらプノンペンでは飛ぶように売れると思う。
人件費を除いたこのクルマの原価(ほぼ
材料費)は500ドル弱とポレット氏は言
う。 人件費が安く、クルマに対する規制
が少ないこの国なら、このクルマを量産
して700ドル前後で販売することが可能
だ。現にアンコール遺跡内のガ イドカー
をこのクルマに限定し、遺跡内の環境保全を計るというプランがポレット氏に打診されているらしい。
バイクと同じ値段(中古のバイクが調度500ドル前後)で、より安全で、モノも人も倍運べると
なれば多くの人がこの”アンコール2003”を購入するだろう。しかし仮に月産200台可能なファ
クトリーを作るとなると、いくら物価の安いこの国でも数万ドル単位の資金が必要となり、一台約
1ドルの洗車代で日々営業しているポレット氏のショップで捻出するのは不可能である。
これだけはよき投資家に会える日を待つしか無さそうだ。
ちなみにこのクルマのデ ザインは氏の長女(大学生)
が担当している。現在2台目の新型を制作中。名前は”バイヨン2003”か?完成は10月を予定している。そのディ
ティールは排気量660cc、4人乗りのオープンカーらし
い。ぜひ次の機会にレポートしたい。
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