2003年、アンコール1に始まったカンボジアの自動車の歴史がつに電気自動車、アンコールEVに進化した

     日本で一番売れてるクルマ雑誌“ベスト・

カー”に紹介された『アンコールEV』

CTNニュースが報じたAngkorEV

不必要にドアを開けながら走るAngkorEV

日本の同じ電気自動車(三菱:i-Miev)と比較すると長さと高さは小さいが、車幅は185ミリ広い。

日本の軽自動車で同じEV(電気自動車)の三菱のiMOVE(アイムーブ)と比べてみよう。アンコールEVは横幅が 1,660mmもある。日本のビッツやマーチやデミオ並の大きさだ。コンパクトカーは小さければ小さいほど良 い。カンボジアの、特に最大の購買層が住む首都プノンペンの、道路事情やこのクルマのターゲット層であるセ カンドカー需要を考えると、全く”ムダ”な大きさである。プノンペンは道路が狭い、加えて駐車場も極小である。 一歩郊外へ出ても、まだまだ道路の整備は悲惨なものである。カンボジア人が運転が上手いなんてことは180%あ りえない。片側2車線の道路は皆無である。ただ後進国のクルマ事情の常で、大きくて存在感の強いクルマが好ま れる。その理屈からいけば大きめなこのサイズは間違いではない、ただ、アンコールEVは2人乗りである。ガルウ イング風に開くドアは奇抜ではあるが、実用性や整備性は低い。早い話が、とても売れるモノではない、と言える。 このEVが1,000ドル強で売るのはさらに難問である。でも、カンボジアという後進国の未来を見据えると、この クルマは必要である。完成品を安く買い叩くか、バブリーニストが見栄でクルマを乗り回すしかできないこのアジ アの小国には、国民が誇りに思える”ナニか”を自分たちで創作しなければ、さしずめラーメン餃子の国の便利屋さ んとしてしか存在できない。